インドネシアで、WEB制作やメディア運営、システム・アプリ開発などを
事業とする会社を経営して7年近くになります。
会社概要はこちらをご参照いただければ幸いです。LOGIQUEコーポレートWEB
手前味噌ですが、うまく運営できていまして、大企業のお客様も含め多くのお仕事を任せていただいています。
現地インドネシアのお客様が多いです。日系企業のインドネシア法人さまからもお仕事をいただいていますが、
日本以外の国のインドネシア法人さま、インドネシア企業さまとより多くお仕事させていただいています。
私が日本に一時帰国したときや、インドネシアに視察に来られた日本の方とお話しする際、
”インドネシアで受託やっています”、とお話すると、
”ああ、オフショアですか””とおっしゃる方が多いのですが、実際はあまりやっていません。
いえ、いままでに何度かやったのですが、正直に申し上げて、
お客様と当社の双方にとって良いプロジェクトになる可能性が低いので、積極的には取り組んできませんでした。
最近まで、今後も積極的にはやらないだろうな、と思っていました。
ただ、ここでご説明する方法で当社がサービスを展開することで、
極小ながらオフショア開発周辺にいる方達に良いインパクトなり気づきなりを与えつつ、
優秀なインドネシア人開発者に良い待遇のプロジェクトを供給したい、と思い至りました。
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”日本がアジアに学ぶ”オフショア開発です。
私は、インドネシアにそれなりに長い時間暮らしていますし、
以前も、10年以上日本で経営・ITコンサルタントとして同じような業界で働いていた古株でもあることから、
視界が狭く、古い考え方がしみついている、ということもあるとは思います。
ただ、オフショアで本当にハッピーにプロジェクトを完遂できる確率はかなり低いように(私からは)見えていて、
特にオフショア開発受託側のハッピー度はかなり低いように感じています。
大きな問題は2つに集約できると思っています。
-
日本側(発注者)の金額への期待値が安すぎる
-
結局、日本スタイルに固執する
金額について、
”一般的なプログラマーの給料はいくらくらいですか?”
と、よくご質問いただきます。(”一般的”の定義が怖いところですが、、)
インドネシアでそれなりのスキルをもったプログラマーの給与水準をお伝えすると(月10万円くらいですかね)、
”あ、そんな高いの、、”という感じの雰囲気になります。
そうです、日本と違って、こちらは常に上がって(成長して)いるんです。
これからも上がっていくでしょう。今でざっくり日本の1/3でしょうか。
こういった状況ですが、受託金額の話になると、
”1人月??万円くらいでできないですかね?”と日本の1人月水準の1/5くらいの提示をされるケースが往々にしてあります。
日本人がブリッジして、あれもこれもと要件があるにも関わらずです。
その値段って、現地の企業からいただく水準を下回ってます。。
これでは、受注側に請け負うメリットがなくなってしまいます。。
ベトナムなどでは、日系オフショア企業が規模感をもって激しい競争をしています。
規模があるからできるってこともあるでしょうし、
こういった企業さんは現地企業からの受託にプライオリティをおいてないから、
この土俵に乗らざるをえない、ということもあるのでしょう。
ただ、そこで働く現地開発者の給与はどうしても低く抑えられるので、
非常に優秀な人材がここにとどまることは稀です。
サービス品質も安いなりのものにしかなりません。。
バングラデシュなど、さらに人件費水準が安いところに行ったとしても
結局数年経ったら同じことが起こります。
金額水準の差に加えて、さらに無理に安い価格で委託しようとするから無理が起こっているのであって、
「金額水準の差を考慮した上で、日本であれば 1人月150万円必要になるレベルのプログラマーに50万円で依頼できる」
と考えると、そこには大きな意味があるのではないでしょうか?
日本スタイルについて、
オフショアを検討していただく最初の段階では、日本の方々から、
”海外の人と仕事ができてエキサイティングだ”、とか、”英語でのコミュニケーションにチャレンジしたい”、
などと仰っていただくことが多いのですが、
結局は、思いきり日本スタイルを求められることがほとんどです。
たとえば、
日本語で日本人ブリッジとしかやり取りしないし、
ドキュメントもメールのやりとりも日本語で、時間感覚も日本のものでとなってしまいがちです。
10時から11時までSKYPEミーティングをしましょう、となった時、
10時の開始時刻はきっちり守るけれど、終了時刻は守られず、予定より1時間以上オーバーしても終わらない…。
仕様決めや素材提供などは、大幅に遅れるわりに、開発側のDueに対する柔軟性はない….。
Agileで、スクラムで、などと言っても、結局、”仕様”への過度なこだわりがあるため、
プロジェクトが前に進まず、仕様決めと確認、決定までの待機に費やすコストなどには無頓着になりがち….。
などなど。。
発注側で担当されている方より、オフショア開発側の現地人の方が明らかに経験があっても、
オフショア開発チーム側に柔軟に仕様を解釈することや、提案する権限をもたせていただくことは稀です。
オフショア側がECサイト開発の経験がたくさんあって、
日本側が新規事業としてはじめてECサイトを開発するようなケースでも、
現地オフショアチームには日本側から提示された仕様通りの開発しかできないケースがほとんどです。
現地の、非常に優秀なクリエイター・開発者は日本スタイルで働きたいとは思わないですし、
日本スタイルの常識の枠で評価すると当然、”日本人開発者のほうが良い”になります。
自分のやり方や知識、常識の範囲で考えるのではなく、
良い機会だから、今までと違う考え方ややり方、スタイルをもった人たちと仕事してみて、
自分のスタイルをアップデートしてみよう
(もちろん、やはり自分のスタイルの方が優れていると再認識するケースもあると思います)
と考えていただくと、
新しい可能性が生まれるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
上記の2つの問題点はどちらも、
少し過度な日本プライドとアジアを(無意識にかもしれませんが)見下していることに起因しているように思います。
この2つの問題をなんとかしない限り、発注・受注両サイド双方にとって不幸せな状態が続き、
今は何とか耐えているオフショア開発会社も、オフショア疲れが行きつくところまで行ってしまうのではないかと危惧しています。
発注サイドとしても、ただでさえ日本国内では人手不足であるのに、オフショアというオプションを失うことになってしまいます。
そこで、
こういった考え方は、どうでしょうか?
アジアの国で、日本水準の単価で委託する。
⇓
スーパー開発者と働くことができます。
日本スタイルを捨てる
⇓
アジアスタイルを体験する(発注側担当者のVirtualアジア駐在)
過度に日本を卑下する必要は全くありませんが、日本のSIビジネス・開発スタイルは多くの問題を抱えています。
東南アジアの国々で高い成果を出し、それに比例した報酬を得ているクリエイター・プログラマー達は
日本の同程度のレンジのクリエイター・プログラマーと比較しても、優秀だと思います。
日本と同水準の金額を提示できれば、非常にレベルが高い開発者と仕事をすることができますし、
彼らから、アジアスタンダードな効率的な仕事の仕方・やり方や、英語までも学べます。
オフショア開発者を指導監督しながら使うという考えから、
開発しながら発注側担当者さんをアジアで活躍できる人材にアップデートできる、
一石二鳥の取り組みだと、考えを変えていただくことをお奨めしたいと思います。
つまり、
日本国内の開発者(会社)への委託料と同じ価格で、
非常に優秀な開発者とアジアなスタイルで仕事することができ、
発注サイドもグローバルビジネスパーソンとして成長できる、ということです!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ここまでの話を踏まえて、今後、次のようなサービスをご提案していこうかと考えています。
すごく生意気なオフショア開発制作サービスです。。
日本がアジアに学ぶ、インドネシアのスーパー開発者とのオフショア開発
・金額は1人月60万円〜。
・スーパープログラマーをアサイン。同価格帯の日本人開発者と比較しても、スキル・経験が豊富です。
・コミュニケーションは英語にて。発注側の日本人担当者さんは英語やアジアスタンダードを学べます。
#完璧な英語である必要はありません。使いながら”学べます”。
・最初のスコープ決めは大まかにしかしません、ラボ契約です。
・経験豊富なスーパー開発者がイニシアティブを発揮してコントロールします。
細かい仕様決めや、意味のないプロジェクトマネジメントをしていた時間を”学び”や”成長”の時間に充てることができます。
==== 今まで (発注側)====
こうやってああやって、いつまでにここまでテストした状態で出して
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ホウレンソウがないよ、○○人はやっぱりダメだなぁ
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(オフショアチームから提案があっても)そういうことはいいから、やるべきこときっちりやってよ
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==== これから (発注側)====
こういうものを、こんなスケジュール感で
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ベストなやり方でやりましょ。やり方合わせるよ。良い提案ある?
⇓
オフショアチーム側がぐいぐい進行、日本側は決定・承認作業
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これ当然むいてないプロジェクトや会社さんもあります。
コンプラとかルールなどを重要視せざるをえないような会社の大規模プロジェクトなどでは非現実的です。
ただ、新規事業や、運用改善プロジェクトなどえは、うまくはまるものが多くあるのではないかと思っています。
インドネシアでスーパー開発者を多くネットワークするところから動き出してみようと思っています。
今回はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。